京都帝大文学部陳列館

京都帝大文學部陳列館
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

国史学、地理学、美学および考古学研究の資料が蒐集されていますが、そのなかで最も注目すべきものは考古学の標本です。その種類2,200点、総数1万2,000点以上あり、日本における考古学的博物館として学界から重要視されています。常時一般には公開されていませんが、学者有志の観覧は常に歓迎されています。蒐集品は三部に分かれ、第一部には日本および朝鮮から発見された石器時代、金石併用時代、原史時代、歴史時代および朝鮮時代の遺物が集められています。第二部には中国で発見された先史時代から唐に至る各時代の遺物が集められています。第三部は諸外国発見の遺物で、旧新石器時代および古代エジプト、ギリシャの研究資科が集まっていますがエジプトの遺物は特に貴重なものです。

※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行
インドガンダーラ石仏(京都帝国大学文学部陳列館) 日本上代の劔頭および杏葉(京都帝国大学文学部陳列館)

令和に見に行くなら

名称
京都帝大文学部陳列館
かな
きょうとていだいぶんがくぶちんれつかん
種別
見所・観光
状態
状態違うが見学可
備考
隣接地に「京都大学 総合博物館」を立て、閲覧できるようになっています。従来の陳列館の建物の一部は文化財として保存されています。
住所
京都府京都市左京区吉田本町
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

國史學、地理學、美學及考古學硏究の資料が蒐集されて居るが、その中最も注目すべきものは考古學の標本である。その種類二千二百餘、總數一萬二千餘點に逹し、我國に於ける考古學的博物館として學界に重きをなして居る。常時一般には公開されて居ないが、學者有志の觀覽は常に歡迎されて居る。蒐集品は三部に分かれ、第一部には日本及朝鮮から發見された石器時代、金石倂用時代、原史時代、歷史時代及朝鮮時代の遺物が蒐められて居る。第二部には支那で發見された先史時代から唐に至る各時代の遺物が蒐められて居る。第三部は諸外國發見の遺物で、舊新石器時代及古代埃及希臘の硏究資科が蒐つて居るが埃及の遺物は特に重きをなして居る。

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