青蓮院
靑蓮院[天臺宗]
昭和初期のガイド文
市電古門前下車、粟田口町、知恩院の北隣にあります。青蓮院は俗に粟田御所ともまた青蓮院宮ともいいます。平安時代の天養元年(1144年)行玄大僧正の開基で、昔は寺域広大、勢盛んでした。第三世慈鎮和尚は和歌で知られ、伏見天皇の皇子入道寧円親王は書道において御家流の源となる青蓮院派を開かれました。殿舎は近代のものですが、宸殿の浜松の間の襖および壁貼付絵17面は国宝に指定されています。その筆者を住吉具慶と伝え、あるいは狩野寿石敦信の作という説もありますが、非常に閑雅な桃山風の金碧帯です。このほか同じく宸殿内の帝鑑の間、杉戸などにも障壁画の見るべきものが少なくありません。
庭園もまた京都名園のひとつに数えられています。
- 宝物
- 後光厳天皇宸筆御消息[国宝] 紙本墨書 一幅
- 光格天皇宸筆大灌頂光明真言[国宝] 一巻 紺紙金泥 巻末に次の文があります。文化十次癸酉歳十二月廿二日 大日本国天皇兼仁合掌敬白
- 華頂要略(青蓮院日記) 天養元年に始まり天保5年(1834年)に終わるものです。
- 不動明王二童子像[国宝] 絹本著色 京都博物館出陳 一幅
- 普賢延命像[国宝] 絹本著色 同上 一幅
※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 青蓮院
- かな
- しょうれんいん
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 京都府京都市東山区粟田口三条坊町69-1
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
市電古門前下車、粟田口町、知恩院の北鄰にある。靑蓮院は俗に粟田御所ともまた靑蓮院宮とも云ふ。天養元年行玄大僧正の開基で、昔は寺域廣大、勢盛んであつた。第三世慈鎭和尙は和歌で聞え、伏見天皇の皇子入道寧圓親王は書道に於て御家流の源をなせる靑蓮院派を開かれた。殿舍は近代のものであるが、宸殿の濱松の閒の襖及壁貼付繪十七面は國寶に指定されて居る。その筆者を住吉具慶と傳へ、或は狩野壽石敦信の作ならんと云ふ說もある、頗る閑雅な桃山風の金碧帶である。この外同じく宸殿內の帝鑑の閒、杉戶などにも障壁畫の見るべきものが少くない。
當院の庭園もまた京都名園の一に數へられて居る。
- 寶物
- 後光嚴天皇宸筆御消息[國寶] 紙本墨書 一幅
- 光格天皇宸筆大灌頂光明眞言[國寶] 一卷 紺紙金泥 卷末に次の文がある。文化十次癸酉歲十二月廿二日 大日本國天皇兼仁合掌敬白
- 華頂要略(靑蓮院日記) 天養元年に始まり天保五年に終る
- 不動明王二童子像[國寶] 絹本著色 京都博物館出陳 一幅
- 普賢延命像[國寶] 絹本著色 同上 一幅
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