法然院

法然院[淨土宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

市電銀閣寺道下車、鹿ヶ谷御所ノ段町、静けさのなかにあります。当院は法然上人(源空)の旧跡ですが、江戸時代前期の延宝年間(1673~1681年)知恩院の心阿上人がこれを再興したもので、その建築は後西天皇の皇女誠子内親王の御座所を、内親王薨去の翌年貞享元年(1684年)に移したものであるといいます。

襖壁貼付絵[国宝] 方丈の貼付絵で、筆者を狩野永徳と伝えていますが、いずれも金地に極彩色を施したもので時代はもっと下り桃山風の華麗な装飾画です。上の間には桐、竹もしくは松を描き、次の間にはマキやカイドウを描いています。別に屏風に仕立てられた松の図も国宝になっています。

※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行

令和に見に行くなら

名称
法然院
かな
ほうねんいん
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町30
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

市電銀閣寺道下車、鹿ケ谷御所ノ段町、閑雅幽邃の地にある。當院は法然上人(源空)の舊址であるが、延寶年閒知恩院の心阿上人がこれを再興したもので、その建築は後西天皇の皇女誠子內親王の御座所を、內親王薨去の翌年貞享元年に移したものであると云ふ。

襖壁貼附繪[國寶] 方丈の貼附繪で、筆者を狩野永德と傳へて居るが、何れも金地に極彩色を施したもので時代はもつと降り桃山風の華麗な裝飾畫である。上の閒には桐、竹若しくは松を描き、次の閒には槇、海棠を描いて居る。別に屏風に仕立てられた松の圖も國寶になつて居る。

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