聖護院
聖護院[天臺宗]
昭和初期のガイド文
市電熊野神社前下車、聖護院中町にあります。智証大師の開基ですが、中世以降は代々法親王が住持され、明治維新までは聖護院宮といわれ、江戸時代には修験道の道場として名高く、本山派の山伏を支配していました。
- 宝物
- 不動明王立像[国宝] 二体 木造、体格はふくよかで小さく緻密な彩色を施した藤原末期の作です。
- 智証大師坐像[国宝] 一体 木造、室町時代の康永2年(1343年)8月仏師良成の作で、園城寺の智証大師像(御骨大師)を模造したものです。その像背の一部分を長方形に刳り取り、その中に円珍(智証大師)入唐求法目録、大師自筆如意輪心中心真言観および自己の願文の三文書を竹筒に収めて籠め置かれていました。像は模造ではありますが、藤原末期の作風を残す室町初期肖像彫刻の優作です。これら胎内から発見された三文書も国宝に指定されています。
- 光格天皇宸筆神変大菩薩微号勅書[国宝] 一幅 紙本墨書
- 後陽成天皇宸筆御消息[国宝] 一幅
※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 聖護院
- かな
- しょうごいん
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 京都府京都市左京区聖護院中町15
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
市電熊野神社前下車、聖護院中町にある。當院は智證大師の開基であるが、中世以降は代々法親王の住持され、明治維新までは聖護院宮と云はれ、江戶時代には修驗道の道場として名高く、本山派の山伏を支配して居た。
- 寶物
- 不動明王立像[國寶] 二軀 木造、體軀肥滿矮小にして緻密な彩色を施した藤原末期の作である。
- 智證大師坐像[國寶] 一軀 木造、康永二年八月佛師良成作にして、園城寺の智證大師像(御骨大師)を模造せしめたものである。その像背の一部分を長方形に刳り取り、その中に圓珍(智證大師)入唐求法目錄、大師自筆如意輪心中心眞言觀及自己の願文の三文書を竹筒に收めて籠め置かれて居た。像は模造ではあるが、藤原末期の作風を存する室町初期肖像彫刻の優作である。これら胎內から發見された三文書も國寶に指定されて居る。
- 光格天皇宸筆神變大菩薩微號敕書[國寶] 一幅 紙本墨書
- 後陽成天皇宸筆御消息[國寶] 一幅
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