大沢池
大澤池[指定名勝]
昭和初期のガイド文
大覚寺の東構外にあり、塀を隔てて寺院と接しています。嵯峨天皇の離宮のあった頃はその庭園に包括されていました。連続した大小2個の池からなり、水面はほとんど33万m²に達し、堤上の樹木は松が主で、山桜も混ざっています。東南は水田を隔てて広沢池を望み、西は嵐山一円の佳景を見渡すことができます。この池は延喜の頃すでに風趣を知られた池で、日本の古園のなかでも著名なものです。
名古曽滝跡は大沢池の北約50mにあります。寺院が建立されてからは大覚寺の滝と呼ばれていた古滝の跡で、当時はこの園の一景勝でした。
※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 大沢池
- かな
- おおさわのいけ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
大覺寺の東構外にあり、塀を隔てゝ寺院と接して居る。嵯峨天皇の離宮のあつた頃はその庭園に包括されて居た。連續せる大小二個の池より成り、水面殆ど三、三〇〇アールに達し、堤上の樹木は松が主で、點々山櫻が交へられて居る。東南は水田を隔てゝ廣澤池を望み、西方は嵐山一圓の佳景を雙眸に收むることが出來る。この池は延喜の頃既に風致の附せられた池で、我が國古園中著名なものである。
名古曾瀧址は大澤池の北方約五〇米にある。寺院の建立されてからは大覺寺の瀧と呼ばれて居た古瀧の址で、當時はこの園の一景勝であつた。