法輪寺(嵯峨の虚空蔵さん)
法輪寺(嵯峨虛空藏)[眞言宗御室派]
昭和初期のガイド文
渡月橋の南の高所にあり、奈良時代の和銅6年(713年)元明天皇の勅願により行基が開創したものと伝え、伊勢朝熊および会津柳井津のものと並んで三虚空蔵と称されます。現在の堂宇は明治17年(1884年)の再建です。境内は嵐山の東麓に接し、カエデや桜が多く眺望がよいところです。桜花の盛りには十三詣りと呼ばれ、京洛の士女が盛装して参詣する人が多く訪れます。寺宝に持国天立像および多門天立像を所蔵しています。いずれも鎌倉時代の作です。
※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 法輪寺(嵯峨の虚空蔵さん)
- かな
- ほうりんじ(さがのこくうぞうさん)
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 京都府京都市西京区嵐山虚空蔵山町68
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
渡月橋の南の高處にあり 和銅六年元明天皇の敕願により行基の開創したものと傳へ、伊勢朝熊及會津柳井津のものと竝稱して三虛空藏と稱せられる。現堂宇は明治十七年の再建である。境內は嵐山の東麓に接し、楓櫻が多く眺望がよい。櫻花の盛りには十三詣りと稱し、京洛の士女盛裝して參詣するもの陸續として絕えない。寺寶中に持國天立像及多門天立像を藏して居る。何れも鐮倉時代の作である。