精霊流し

盂蘭盆會
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

7月13日から15日までの3日間の盆祭りも長崎三大行事のひとつです。この間四方の山腹にある墓地には多数の灯籠を掲げ、墓前に香を焚き、爆竹の音や火矢の光芒が立ちのぼります。そして15日夜には精霊流しと称して各町が競って編菰船に西方丸、極楽丸または阿弥陀仏を書いた帆を張り、多数の提灯を掲げ美しく飾って銅鑼、鉦などの鳴物もにぎやかに掛声勇しく大波止に繰り込み、かねて市の準備した団平船に送り、船は翌朝港外に投棄します。古くは大波止から海に流しましたが、港内整理、保安衛生の見地からこれを禁じられました。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
精霊流し
かな
しょうろうながし
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
長崎県長崎市
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

七月十三日から十五日までの三日閒の盆祭りも長崎三大行事の一つである。この閒四方の山腹にある墓地には多數の燈籠を揭げ、墓前に香を焚き、爆竹の音や火矢の光芒が天に冲する。かくて十五日夜には精靈流しと稱して各町競うて編菰船に西方丸、極樂丸または阿彌陀佛を書いた帆を張り、多數の提燈を揭げ美々しく飾つて銅鑼、鉦などの鳴物にぎやかに掛聲勇しく大波止に繰込み、豫て市の準備せる團平船に送り、船は翌朝港外に投棄する。古くは大波止から海に流したが、港內整理、保安衞生の見地からこれを禁じられた。

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