衣縫石器時代遺跡(国府遺跡)

衣縫石器時代遺蹟
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

大阪鉄道道明寺の北1km、道明寺村国府衣縫にあります。緩やかな丘陵の裾近くの畑地にあり、大正6年(1917年)以来約80体に近い石器時代の人骨を発見しましたが、その大部分がいずれも手足を折り曲げて葬られたいわゆる屈葬の状態で発掘されました。玦様石製耳飾や、臼形土製耳飾が耳辺からあわせて出土したものもあり、犬歯、門歯を抜歯し、なかには門歯を鋸歯状に削った変わった人骨も発見されました。この多数の人骨は東北地方や、中部中国、九州地方等で、これと前後して発見された同時代人骨とともに、人類学上貴重な資料となっています。なお各種の土器、石器類等も豊富に発見されました。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
衣縫石器時代遺跡(国府遺跡)
かな
いぬいせっきじだいいせき(こういせき)
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
大阪府藤井寺市惣社2
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

同道明寺の北一粁、道明寺村國府衣縫にある。緩やかな丘陵の裾近くの畑地に存し、大正六年以來約八十體に近い石器時代人骨を發見したが、その大部分が何れも手足を折り曲げて葬られた所謂屈葬の狀態で發掘された。玦樣石製耳飾や、臼形土製耳飾が耳邊から伴出したのもあり、犬齒、門齒を拔除し、中には門齒を鋸齒狀に人工變形を施した珍奇な人骨も發見した。この多數の人骨は東北地方や、中部中國、九州地方等で、これと相前後して發見された同時代人骨と共に、人類學上貴重な資料となつて居る。尙各種の土器、石器類等が豐富に發見された。

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