河合寺

河合寺[眞言宗御室派]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

南海電車高野線長野の東南1km、川上村河合寺にあります。皇極天皇2年(643年)の創建と伝わり、金剛寺、観心寺と並び称せられた寺です。本尊十一面観音を安置し、寺宝の多聞天立像および持国天立像は木造等身、非常に写実的で筋肉の隆起、天衣の表現も巧みで、眼は玉眼かと見間違えるほどで、特に美しい彩色をよく残し、藤原末期から鎌倉時代過渡期の作です。また大日如来坐像は、木造金剛界大日で優麗な藤原時代の作、二重光背の周縁に珍らしい唐草透彫があり、彩色ある大形の蓮弁もまた当初のものです。3体とも国宝に指定されています。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
河合寺
かな
かわいでら
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
大阪府河内長野市河合寺876
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

同高野線長野の東南一粁、川上村河合寺にある。皇極天皇二年の創建と傳へ、金剛、觀心兩寺と竝び稱せられた寺である。本尊十一面觀音を安置し、寺寶の多聞天立像及び持國天立像は木造等身、頗る寫實的で筋肉の隆起、天衣の飜纏まで巧に、眼は玉眼かと見紛ふ許りにて、殊に美しき彩色よく存し、藤原末期から鐮倉時代過渡期の作である。また大日如來坐像は、木造金剛界大日で優麗な藤原時代の作、二重光背の周緣に珍らしき唐草透彫あり、彩色ある大形の蓮辯もまた當初のものである。三躯共國寶に指定されて居る。

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