大仙院の本堂

大仙院本堂[國寶]

昭和初期のガイド文

大仙院は大徳寺の塔頭で、真珠庵の西北にあります。寺伝によると永正6年(1509年)六角近江守政頼の創立であるといいます。室町時代における方丈造の稀な実例で、また常時の書院造の遺制を現すものです。内部の壁および襖の貼付絵は元信および相阿弥の筆と伝わり、国宝に指定されていますが、今はすべて幅に仕立てて京都博物館に出陳されています。

庭園[指定名勝・史蹟] 相阿弥の作と伝え、「乾山水」に属し、もっぱら石によって構築され、東園の土塀によって山容流水の趣致を現し、箱庭式の狭細ななかに大自然を彷彿させる様子に特長があります。

※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行

令和に見に行くなら

名称
大仙院の本堂
かな
だいせんいんのほんどう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
京都府京都市北区紫野大徳寺町54-1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

大仙院は大德寺の塔頭で、眞珠庵の西北にある。寺傳によると永正六年六角近江守政賴の創立であると云ふ。室町時代に於ける方丈造の稀なる實例で、また常時の書院造の遺制を徵すべきものである。內部の壁及襖の貼付繪は元信及相阿彌の筆と傳へ、國寶に指定されて居るが、今は盡く幅に仕立て京都博物館に出陳されて居る。

庭園[指定名勝・史蹟] 相阿彌の作と傳え、「乾山水」に屬し、その構築は專ら石を以てし、東園の土塀によつて山容流水の趣致を現し、箱庭式狹細なるうちに大自然を彷彿せしめんとする巧風に特長を存する。

洛中のみどころ