平野神社

平野神社[官幣大社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

市電北野下車、平野宮本町北野神社の西北隣にあります。奈良時代の延暦年間(782~806年)大和国から今の地に遷座されて以来、朝廷の崇敬が厚く、しばしば行幸あり、延喜の制においては名神大社に列され、古来著名な神社で、今木神、久度神、古開神および比咩神が祀られています。

本殿[国宝] 江戸時代前期の寛永年間(1624~1644年)の建築で、比翼春日造または平野造とも呼ばれ、神社建築史上特殊な地位を有するものとして知られます。すなわち第一殿と第二殿とは一間社、春日造を両宇並べて連結し、屋根は檜皮葺にして、左右両棟の中間に横棟を入れてH字形をしています。第三殿と第四殿もまたこれと同一の形式です。

境内には桜の樹が多く珍種に富み、古来平野の夜桜と呼ばれて名高く、毎年4月10日に桜祭が催され、東遊の奉奏があります。例祭は4月2日。

※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行
平野神社

令和に見に行くなら

名称
平野神社
かな
ひらのじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
京都府京都市北区平野宮本町1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

市電北野下車、平野宮本町北野神社の西北鄰にある。延曆年閒大和國から今の地に遷座されて以來、朝廷の崇敬厚く、屢々行幸あり、延喜の制に於ては名神大社に列せられ、古來著名な神社で、今木神、久度神、古開神及比咩神が祀られて居る。

本殿[國寶] 寬永年閒の建築で、比翼春日造または平野造とも稱し、神社建築史上特殊の地位を有するものとして名高い。卽ち第一殿と第二殿とは一閒社、春日造を兩宇相竝べて連結し、屋根は檜皮葺にして、左右兩棟の中閒に橫棟を入れてH字形をなさしめて居る。第三殿と第四殿もまたこれと同一の形式である。

境內には櫻樹多く珍種に富み、古來平野の夜櫻と稱して名高く、每年四月十日に櫻祭が催され、東遊の奉奏がある。例祭は四月二日。

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