黄梅院の本堂

黃梅院本堂[國寶]

昭和初期のガイド文

大徳寺の塔頭で、安土桃山時代の天正16年(1588年)小早川隆景の造立になるもので、その構造は普通の方丈造ですが、柱太く舟肘木の形も美しく、荘重の趣を呈し、この種の建築としては桃山初期を代表すべき佳作です。内部において特に注目に値するものは、襖の貼付絵と彫刻です。すなわち正面の桟唐戸の底部格挟間内に入れた獅子、牡丹、桐等の彫刻は非常に優秀な作です。また襖の貼付絵は雲谷等顔の傑作で、山水図、蘆雁図および竹林七賢の図が襖34面に水墨をもって描かれています。等顔は雪舟第三世と称し、いわゆる雲谷派を興した名家で、これらの図はいずれも国宝に指定されています。

※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行

令和に見に行くなら

名称
黄梅院の本堂
かな
おうばいいんのほんどう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
京都府京都市北区紫野大徳寺町83-1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

大德寺の塔頭で、天正十六年小早川隆景の造立にかゝり、その構造は普通の方丈造であるが、柱太く舟肘木の形も美はしく、莊重の趣を呈し、桃山初期を代表すべきこの種建築の佳作である。內部に於て特に注意を値するものは、襖の貼付繪と彫刻である。卽ち正面の棧唐戶の底部格挾閒內に入れた獅子、牡丹、桐等の彫刻は頗る優秀な作である。また襖の貼付繪は雲谷等顏の傑作で、山水圖、蘆雁圖及竹林七賢の圖が襖三十四面に水墨を以て描かれて居る。等顏は雪舟第三世と稱し、所謂雲谷派を興した名家で、これ等の圖は何れも國寶に指定されて居る。

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