放生会(藤崎八旛宮秋季例大祭)

放生會
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

例年9月15日に行われる藤崎宮の祭礼で市中第一の賑わいです。当日未明に神輿社内を出てもとの神社跡藤崎台に向かいます。これを朝随兵といい、夕方は御帰りの行列が続く、これを夕随兵といいます。一の宮、二の宮、三の宮、三つの神輿に勅使代理や黄、赤の旗指物を指した随兵百騎、持長柄の行列、乗馬御幸奉行など、昔のままの慣例によっていかめしく、これに30~40の飾馬を数多の勢子がボシタボシタの囃声勇ましく追い立てるさまは勇壮です。この行列の起こりは加藤清正の朝鮮征伐の際に戦勝を祈り、以来長柄百騎馬を献じたことに始まるといいます。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
放生会(藤崎八旛宮秋季例大祭)
かな
ほうじょうえ(ふじさきはちまんぐう しゅうき れいたいさい)
種別
見所・観光
状態
状態違うが見学可
備考
当時放生会といった例祭は現在の藤崎八旛宮秋季例大祭となっています。「ボシタ」の掛け声は現在使用されていません。
住所
熊本県熊本市中央区井川淵町 藤崎八旛宮
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

例年九月十五日に行はれる藤崎宮の祭禮で市中第一の賑ひである。當日未明に神輿社內を出でてもとの神社跡藤崎臺に向ふ、これを朝隨兵と云ひ、夕方は御歸りの行列が續く、これを夕隨兵と云ふ。一の宮、二の宮、三の宮、三つの神輿に敕使代理や黃、赤の旗指物を指した隨兵百騎、持長柄の行列、乘馬御幸奉行など、昔の儘の慣例によつていかめしく、これに三四十の飾馬を數多の勢子がボシタボシタの囃聲勇ましく追ひ立てるさま勇壯である。この行列の起りは加藤淸正朝鮮征伐の時戰勝を祈り、爾來長柄百騎馬を獻じたのに始まると云ふ。

熊本のみどころ