北岡神社
北岡神社[縣社]
昭和初期のガイド文
熊本駅の北約200m、市内春日町にあり、電車の便があります。祇園社ともいい、素戔嗚尊、稲田媛命、八柱御子神を祀ります。朱雀天皇の頃、平安時代の承平年間(931~938年)凶徒叛乱悪疫鎮護のため、勅願により京都の祇園社を肥後飽田郷に勧請したものであるといいます。中世には衰退し神事が全く廃れましたが、加藤清正入国の後復興し、細川氏も代々厚く崇敬しました。社地は古来変選し、現地に奉遷したのは明治25年です。毎年8月1日から5日まで盛大な例祭が行われ、4日には神幸式があります。境内に西南戦争の時西郷隆盛が自ら登って大砲の照準を定めたと伝えられる樹齢千年の老クスノキがあります。
※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 北岡神社
- かな
- きたおかじんじゃ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 熊本県熊本市西区春日1-8-16
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
熊本驛の北約二〇〇米、市內春日町にあり、電車の便がある。祇園社とも云ひ、素戔嗚尊、稻田媛命、八柱御子神を祀る。朱雀天皇の承平年閒凶徒叛亂惡疫鎭護のため、敕願により京都の祇園社を肥後飽田鄕に勸請したものであると云ふ。中頃衰へて神事が全く廢れたが、加藤淸正入國の後復興し、細川氏も代々厚く崇敬した。社地は古來變選し、現地に奉遷したのは明治二十五年である。每年八月一日より五日まで盛大な例祭が行はれ、四日には神幸式がある。境內に西南役の時西鄕隆盛が自ら登つて大砲の照準を定めたと傳へられる樹齡千年の老楠がある。