三嶋大社

三島神社[官幣大社]

昭和初期のガイド文

駿豆鉄道三島町駅の東北約1km、三島町にあり、自動車の便があります。延喜式所載の名神大社で、事代主命を祀ります。古来伊豆の一ノ宮として名高く、鎌倉時代以後は武家の信仰が厚く、源頼朝もたびたび当社に参拝したことがあります。現在の社殿は明治2年(1869年)に再建された権現造の大建築で、拝殿の前に神楽殿があり、随所に素地のままの精巧な彫刻が施されています。毎年8月16日の例祭、1月7日の御田植祭および節分祭には参詣人が多く大いに賑わうといいます。

  • 宝物
  • 蒔絵櫛笥[国宝]一口 鎌倉時代 東京帝室博物館出陳 櫛笥は理髪の具を収める箱で中に鏡、小筥、鋏、耳掻、毛抜、笄、眉筆、紅皿、紙製絵元結、木櫛の類が十数点収めてあります。櫛笥全面に鎌倉時代特有の豪荘華麗な風致が横溢し技巧にも意匠にも雅趣があり、製作優秀な上に時代風俗を現す化粧道具を備えている点は特に珍重すべきものです。
  • 短刀 友行作[国宝]一口
  • 太刀 宗忠作[国宝]一口
  • 脇差 秋義作[国宝]一口

境内に新築された宝物館があり、宝物は近いうちにここに陳列されることとなっています。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
三嶋大社
かな
みしまたいしゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
静岡県三島市大宮町2-1-5
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

駿豆鐵道三島町驛の東北約一粁、三島町にあり、自動車の便がある。延喜式所載の名神大社で、事代主命を祀る。古來伊豆の一ノ宮として名高く、鐮倉時代以後武家の信仰厚くして源賴朝も度々當社に參拜したことがある。今の社殿は明治二年に再建された權現造の大建築で、拜殿の前に神樂殿があり、隨所に素地のまゝの精巧なる彫刻が施されて居る。每年八月十六日の例祭、一月七日の御田植祭及節分祭には參詣人多く大に賑ふと云ふ。

  • 寶物
  • 蒔繪櫛笥[國寶]一口 鐮倉時代 東京帝室博物館出陳 櫛笥は理髮の具を收める筈であつて中に鏡、小筥、鋏、耳掻、毛拔、笄、眉筆、紅皿、紙製繪元結、木櫛の類が十數點收めてある。櫛笥全面に鐮倉時代特有の豪莊華麗の風致が橫溢し技巧にも意匠にも雅趣があり、製作優秀な上に時代風俗を徵すべき化粧道具を具備する點は特に珍重すべきである。
  • 短刀 友行作[國寶]一口
  • 太刀 宗忠作[國寶]一口
  • 脇差 秋義作[國寶]一口

境內に新築された寶物館があり、寶物は遠からずここに陳列される筈になつて居る。

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