藤原成親墓地

藤原成親墓
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

中国鉄道吉備津駅の東1km、真金村俗称馬場にあります。土壇上に古塔の残欠があるのをその墓としています。もとここに建てられた十三重石塔は現在、神奈川県大磯町安田別邸内に移され、現在別にそばに明治43年に建てた九層石塔があります。この地は昔の有木の別所で、平安時代の治承元年(1177年)平家討滅の密謀が露見した成親がこの地に配流されて幽囚中、清盛が妹尾兼康に命じて殺害させたことが平家物語等に見えます。成親がいたという向来寺の旧跡は付近の山中に残存し、山麓の青蓮寺に位牌があります。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行

令和に見に行くなら

名称
藤原成親墓地
かな
ふじわらなりちかぼち
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
岡山県岡山市北区吉備津
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

同吉備津驛の東一粁、眞金村俗稱馬場にある。土壇上に古塔の殘缺があるのをその墓として居る。もとこゝに建てられた十三重石塔婆は今、神奈川縣大磯町安田別邸內に移され、今別に傍に明治四十三年に建てた九層石塔婆がある。この地は昔の有木の別所で、治承元年平家討滅の密謀露はれて成親この地に配流されて幽囚中、淸盛妹尾兼康に命じて殺害せしめた事が平家物語等に見える。成親の居つたと云ふ向來寺の舊址は附近の山中に殘存し、山麓の靑蓮寺に位牌がある。

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