円成寺(忍辱山)

圓成寺(忍辱山)

昭和初期のガイド文

[真言宗御室派] 奈良駅の東約14kmにあり、途中までバスの便があります。

楼門[国宝] 三間一戸、入母屋造の屋根で瓦葺です。室町時代の文正元年(1466年)の再建と言われ、縁板には室町時代の応仁2年(1468年)の墨書があります。蟇股や拳鼻の透かし彫りなどは、ほぼその時代の特徴を示しています。

春日堂及び白山堂[国宝] 春日神社と白山神社の社殿で、どちらも一間社春日造、檜皮葺の小規模な建築です。鎌倉時代の優れた作品で、室町時代の明応3年(1494年)の修理を経ています。

本尊阿弥陀如来座像[国宝] 木造で、優美で豊かな定朝様式の代表的な仏像です。宝相華の透かし彫りの唐草光背と九つの蓮弁を持つ台座も、その時代の様式を伝えています。

  • 宝物
  • 大日如来座像[国宝]木造 運慶作 1躯 漆箔高さ約1m、玉眼嵌入、蓮座の裏に以下の墨書銘があります。
  • 運慶承安元年十一月廿四日始之
    給新物上品八丈絹肆拾參疋也
    己上御身新也
    奉渡安元貳季丙申十月十九日
    大佛師康慶
    實弟子運慶
    [花押]
  • 紀年の銘文によると、これは運慶の壮年期の作品です。彼の特徴的な力強い作風は控えめで、藤原様式の優美さの中に鎌倉初期の写実的な味わいが加わった、形の整った美しい作品となっています。
  • 四天王立像[国宝]木造 鎌倉時代 1躯 奈良帝室博物館出展
※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
円成寺(忍辱山)
かな
えんじょうじ(にんにくせん)
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
奈良県奈良市忍辱山町1273
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

[眞言宗御室派] 奈良驛の東約一四粁、添上郡大柳生村忍辱山にあり、途中まで乘合自動車の便がある。

樓門[國寶] 三間一戶、屋根入母屋造、棧瓦葺で、文正元年の再建と云ひ、緣板には應仁二年の墨書がある、蟇股、拳鼻の繰形彫刻など、略々その時代に相當する。

春日堂及白山堂[國寶] 春日神社及び白山神社の社殿で、共に一間社春日造屋根檜皮葺の小建築である。鎌倉時代の佳作で明應三年の修理を經て居る。

本尊阿彌陀如來坐像[國寶] 木造、優麗豐滿な定朝式の典型的のものに屬し、寶相花透彫の唐草光背及び九電の臺座またその時代の樣式を有する。

  • 寶物
  • 大日如來坐像[國寶]木造 運慶作 一軀 漆箔高三尺三寸、玉眼篏入、蓮座の裏に左の墨書銘がある。
  • 運慶承安元年十一月廿四日始之
    給新物上品八丈絹肆拾參疋也
    己上御身新也
    奉渡安元貳季丙申十月十九日
    大佛師康慶
    實弟子運慶
    [花押]
  • 紀年の銘文に依ると運慶壯年時の作で、彼の得意な雄渾の風は發揮されず、藤原式の溫麗な中に鎌倉初期の寫實的の妙味が加はり、形態秀美な作である。
  • 四天王立像[國寶]木造 鎌倉時代 一軀 奈良帝室博物館出陳

奈良駅周辺のみどころ