知足院ナラノヤエザクラ

知足院奈良八重櫻
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

[指定天然記念物] 東大寺の塔頭である知足院の奥庭の崖上にあり、幹の目通り周囲は約85cm、傍らに元の朽ち株が残っているものと、若い幹が発生しているものがあります。花は5月上旬に開き、重なりが厚く、花弁の数は30に達し、弁は比較的細めです。花の直径は約2cm、蕾の時は濃紅色ですが、開くと淡紅色になります。雄しべは約40本、雌しべは1、2本、花柄の長さは約8cm、微細な毛があります。葉は長さ約8cm、幅約5.5cm、単細鋸歯があり、開花時には葉が僅かに出ています。奈良県師範学校および官幣大社春日神社の境内にも同種の桜がありますが、いずれも小さな木です。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
知足院ナラノヤエザクラ
かな
ちそくいんならのやえざくら
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
備考
奈良県師範学校は現在の奈良教育大学です。
住所
奈良県奈良市雑司町321 知足院内
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

[指定天然記念物] 東大寺の塔頭知足院奧庭の崕上にあり、幹の目通周圍約八五糎、傍に元の朽株の遺れるもの及幼幹の發生せるものがある。花は五月上旬に開き、重ね厚く、花瓣の數三十に達し、瓣は比較的狹細である。花經約二糎、蕾の時は濃紅であるが、開けば淡紅となる。雄蕊約四〇、雌蕊一、二本、花梗長約八糎、微毛がある。葉は長さ約八糎、幅約五糎半、單細鋸齒あり、花時葉が僅に出る。奈良縣師範學校及官幣大社春日神社の境內にも同種の櫻があるが、何れも小樹である。

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