大安寺

大安寺

昭和初期のガイド文

[真言宗] 奈良駅の西南約1キロメートル、大安寺村にあります。

寺は南都七大寺の一つで、飛鳥時代の推古天皇の時代に聖徳太子によって大和国添上郡熊凝村に創建され、熊凝精舎と称しました。その後たびたび移転され、百済大寺、高市大寺、大官大寺と改称されましたが、最後に奈良時代の天平年間に聖武天皇によって現在の地に再建され、大安寺と称されることになりました。東西の大寺に準じて南大寺とも呼ばれました。その後火災に遭い、寺運も振るわず、ついにほとんど廃絶に至り、現在はその寺地に一堂を残すのみとなっています。通称「お大師さん」として親しまれ、本尊の千手観音立像[国宝]が安置されています。馬頭観音とも見られるもので、木造で高さ約160センチメートル、六本の腕を持ち、蛇身を胸飾りとした異形の忿怒像で平安時代初期の作です。台座が双蓮華であることは珍しい特例です。

なお大安寺塔跡および大安寺の前身であった大官大寺跡は史跡に指定され、また熊凝精舎の跡地には、現在額安寺があります。

  • 宝物
  • 下記宝物は奈良帝室博物館出展
  • 不空羂索観音立像[国宝]木造 一躯
  • 楊柳観音立像[国宝]木造 一躯
  • 四天王立像[国宝]木造 四躯
  • 聖観音立像[国宝]木造 一躯
※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
大安寺
かな
だいあんじ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
奈良県奈良市大安寺2-18-1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

[眞言宗] 奈良驛の西南約一粁、大安寺村にある。

寺は南都七大寺の一で、推古天皇の御世聖德太子によつて大和國添上郡熊凝村に創建され熊凝精舍と稱した。その後屢々移建され、百濟大寺、高市大寺、大官大寺と改稱されたが、最後に天平年間聖武天皇によつて今の地に再建され大安寺と稱されたのである。東西の大寺に準じて南大寺とも稱された。その後火災に遭ひ、寺運また振はず、終に殆んど廢絕に歸し、今はその寺地に一宇を存し、俗に「お大師さん」と稱し、本尊千手觀音立像[國寶]を安置して居る。馬頭觀音とも見ゆるもので木造高さ五尺三寸、六臂で、蛇身を胸綴とした異形の忿怒像にして平安初期の作である。臺座が双蓮華であることは稀觀の特例である。

尙大安寺塔址及大安寺の前身であつた大官大寺址は史蹟に指定され、また熊凝精舍の址には、今額安寺がある。

  • 寶物
  • 左記寶物は奈良帝室博物館出陳
  • 不空羅索觀音立像[國寶]木造 一軀
  • 楊柳觀音立像[國寶]木造 一軀
  • 四天王立像[國寶]木造 四軀
  • 聖觀音立像[國寶]造木 一軀

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