春日山原始林

春日山原始林

昭和初期のガイド文

[指定天然記念物] 春日神社の東方、標高わずか497メートルの花山から、その前山である狭義の春日山にかけて広がる、古くから伐採を免れてきた面積約29.9ヘクタールの地域です。植物の分布上、日本の暖帯のやや北部に位置していますが、暖帯南部の植物も多く、温帯固有の植物も混在しています。都市に近い交通の便利な場所に原始林が残されていることは、とても興味深い特徴です。暖帯性の樹木の代表的なものとして、ナギ、ヤマモモ、シイノキ、アラカシ、ツクバネガシ、イチイガシ、カゴノキ、イスノキ、リンボク、タマミズキ、ヒサカキ、シロバイ、アオガシ、コバノトネリコなどがあります。温帯性の樹木の主なものには、ホオノキ、ウラジロノキ、タラノキ、リョウブ、クマノミズキ、ウリハダカエデ、シナノガキ、イモノキなどがあり、これらは暖地では珍しい樹木です。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
春日山原始林
かな
かすがやまげんしりん
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
奈良県奈良市春日野町
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

[指定天然記念物] 春日神社の東方海拔僅に四九七米の花山から、その前山卽ち狹義の春日山に及び、古來採伐を免れて居る面積約二九九アールの地である。植物の分布上我が國暖帶の稍北部にあるが、暖帶南部植物も多く、溫帶固有の植物も混生し、都市に近い交通の便利な所に原始林をして居ることは興味が深い。暖帶性樹木として著しいものになぎ、やまもも、しいのき、あらがし、つくばねがし、いちゐがし、かごのき、いすのき、りんぼく、たまみづき、ひさかき、しろばい、あをがし、こばのとねりこ等がある。溫帶性樹木の主なるものはほほのき、うらじろのき、たらのき、りやうぶ、くまのみづき、うりはだかへで、しなのがき、いものき等でこれらは暖地には稀に見るものである。

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