仙石原温泉

仙石原溫泉

※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

宮ノ下から西北5km、自動車の便があります。箱根最奥の温泉でひっそり落ち着いたところです。付近にはゴルフ場があり、また長尾峠越えの通路となっています。

温泉は大涌谷から曳いたもので酸性塩類泉、温度66度、皮膚病、神経諸病、貧血症、リウマチ、婦人病などに効くといいます。旅館は仙郷楼、俵石。

上湯・下湯はまた別のエリアとなっていて、早雲山駅から西北約1.5km、台ヶ岳の東麓にあり、同じく大涌谷から曳湯しています。旅館は上湯には冠峰楼、下湯に万岳楼。文化的施設には欠けていますが質素な浴場です。

※底本：『日本案内記関東篇（初版）』昭和5年（1930年）発行

宮ノ下より西北五粁、自動車の便がある。箱根最奧の溫泉で閑寂の一境をなして居る。附近にはゴルフ場あり、また長尾峠越の通路となつて居る。

溫泉は大涌谷から曳いたもので酸性鹽類泉、溫度百五十度、皮膚病、神經諸病、貧血症、リウマチス、婦人病などに效くと云ふ。旅館　仙鄕樓、俵石。

上湯下湯は別境をなし、早雲山驛より西北約一粁半臺ケ嶽の東麓にあり、同じく大涌谷より曳湯して居る。旅館上湯には冠峯樓、下湯に萬嶽樓、文化的施設には缺けて居るが質素な浴場である。