強羅温泉

强羅溫泉
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

箱根登山電車の終点、早雲山麓の傾斜地で樹木が生い茂っていて、土砂流出の後に残された大小の岩塊がところどころに横たわり、コケやシダがその上を覆う様子は高原の趣をなしています。海抜788m、明神、明星の二峰に対し、早川の渓谷を俯瞰する眺めがいいところです。

駅に接して登山電車会社経営の遊園地があり、その周囲は別荘地として発展してきています。温泉は大涌谷から曳いたもので酸性塩類泉、温度66度、腺病、リウマチ、皮膚病、婦人病、花柳病などに効くといいます。付近の林間は格好のキャンプ場です。旅館は観光、紅葉館、一福、倉田、小高庵、吉浜、頓狂。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
強羅温泉
かな
ごうらおんせん
種別
温泉
状態
現存し見学できる
備考
本文中の遊園地は、強羅公園のことです。
住所
神奈川県足柄下郡箱根町強羅
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

箱根登山電車の終點、早雲山麓の傾斜地で樹木繁茂せる閒、土砂流出の後に殘された大小の岩塊處々に橫はり、蘚苔、地衣その上を被うて高原の趣をなして居る。海拔七八八米、明神、明星の二峯に對し、早川の溪谷を俯瞰する眺がいゝ。

驛に接して登山電車會社經營の遊園地あり、その周圍は別莊地として漸次發展を見る。溫泉は大涌谷から曳いたもので酸性鹽類泉、溫度百五十度、腺病、リウマチス、皮膚病、婦人病、花柳病などに效くと云ふ。附近の林閒は好箇のキヤンプ場である。旅館 觀光、紅葉館、一福、倉田、小高庵、吉濱、頓狂。

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