野岳イヌツゲ群落
野嶽いぬつげ群落[指定天然記念物]
※現代の景観です。
昭和初期のガイド文
野岳は温泉火山に珍しい一面芝生の高原です。普賢岳登山道の仁田峠から右へ折れ100mほど行けば、野岳の山頂に達します。山頂には巨大な熔岩が築山のように集積し、中央の盆地には水をたたえ、いたるところイヌツゲが群生して皆刈込んだ形をしています。野岳のイヌツゲは純群落として著しく、最も大きなものは高さ約3.9m、幹囲18cmあまりにおよび、その他1.2m~1.5mのものが多く、約79万m²にわたる高原に群生し、その間にミヤマキリシマや、ヤマツツジが散点して趣を添え、自然の庭園を形造っています。
※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 野岳イヌツゲ群落
- かな
- のだけいぬつげぐんらく
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 長崎県島原市、雲仙市小浜町
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
野嶽は溫泉火山に珍しき一面芝生の高原である。普賢嶽登山道の仁田峠から右へ折れ一〇〇米程行けば、野嶽の山頂に達する。山頂には巨大なる熔岩が築山の如く集積し、中央の盆地には水を湛へ、到るところいぬつげが群生して皆刈込んだ形をして居る。野嶽のいぬつげは純群落として著しく、最も大なるものは高さ約三米九、幹圍一八糎餘に及び、その他一米二乃至一米半のもの多く、約七九ヘクタールに亙る高原に群生し、その閒みやまきりしまや、山つゝじが散點して趣を添へ、自然の庭園を形造つて居る。