小浜温泉

小濱溫泉
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

雲仙鉄道雲仙小浜駅の南約1km、諫早、愛野村駅からも自動車の便があります。長崎から自動車で茂木に出で、そこから汽船便を利用してもいいところです。地は島原半島にそびえる雲仙岳の西麓、千々石灘の沿岸にあり、はるかに野母半島に対し、茂木港と相面し、山光水色の美に富んでいます。

温泉の所有者は本多氏で代々湯太夫と称していました。それは慶長の頃からですが、浴槽を設けて入浴する方法を教えたのは僧の入徳で、島原キリシタン一揆の後寛永年間(1624~1644年)のことと伝え、現在も入徳湯というものが残っています。温泉は塩類泉で元湯、明治湯は温度45~50度、噴騰湯は温度高く100度、神経系諸病、婦人病、リウマチ、慢性呼吸器病などに効くといいます。旅館は一角楼、伊勢屋、角屋、柳川屋、岩田屋、浜松屋ほか数十軒。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行
小浜温泉

令和に見に行くなら

名称
小浜温泉
かな
おばまおんせん
種別
温泉
状態
現存し見学できる
住所
長崎県雲仙市小浜町
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

雲仙鐵道雲仙小濱驛の南約一粁、諫早、愛野村驛からも自動車の便がある。長崎から自動車で茂木に出で、そこから汽船便によつてもよい。地は島原半島に聳ゆる雲仙嶽の西麓、千々石灘の沿岸にあり、遙に野母半島に對し、茂木港と相面し、山光水色の美に富んで居る。

溫泉の所有者は本多氏で代々湯太夫と稱して居た。それは慶長の頃からであるが、浴槽を設けて入浴するの法を敎へたのは僧の入德で、島原切支丹一揆の後寬永年閒のことゝ傳へ、今に入德湯と云ふのが殘つて居る。溫泉は鹽類泉で元湯、明治湯は溫度四五度乃至五〇度、噴騰湯は溫度高く一〇一度、神經系諸病、婦人病、リウマチス、慢性呼吸器病などに效くと云ふ。旅館一角樓、伊勢屋、角屋、柳川屋、岩田屋、濱松屋外數十軒。

島原・雲仙のみどころ