手宮洞窟

手宮洞窟[指定史蹟]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

手宮駅の東北約1km、小樽市内手宮公園内にあり、公園の裾を過ぎ高島町に到る海岸道路に沿った崖下に南面してある自然洞窟で、洞窟前部はほとんど破壊されてしまいましたが、奥壁高さ約2m、幅約4.5mにわたって一種の記号のような彫刻が残っているので有名です。明治11年(1878年)榎本武揚、山内堤雲らがこれを模写して東京大学に送ったことがあるといいます。明治30年(1897年)頃形象を明瞭にするため刻線に朱色を施したのが今もなお残っています。この彫刻に関しては従来から諸学者によって各種の学説が発表されていますが未だ確説となっていません。前面に鉄網を張った覆屋を造って保護しています。

※底本:『日本案内記 北海道篇(五版)』昭和11年(1936年)発行

令和に見に行くなら

名称
手宮洞窟
かな
てみやどうくつ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
北海道小樽市手宮1-3-4
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

手宮驛の東北約一粁、小樽市內手宮公園內にあり、公園の裾を過ぎ高島町に到る海岸道路に沿うた崖下に南面して存する自然洞窟で、洞窟前部は殆ど破壞されたが、奧壁高さ約二米、幅約四米半に亙つて一種の記號樣彫刻が存するので著名になつて居る。明治十一年榎本武揚、山內堤雲等これを模寫して東京大學に送つた事があると云ふ。明治三十年頃形象を明瞭にするため刻線に朱色を施したのが猶殘つて居る。この彫刻に關しては從來より諸學者によりて各種の學說が發表せられて居るが未だ確說あるを見ない。前面に鐵網を張つた覆屋を造つて保護を加へて居る。

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