忍路環状列石

忍路土場環狀石籬
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

蘭島駅の東1.5km、忍路郡蘭島村大字忍路村字土場にあります。国道から南に入って0.5km、蘭島川の沿岸にあります。楕円形で南北約28m、東西約21mあり、高さ約1mの大小自然石をサークル状に並列しています。外側にも数個の石が見られ、内部に柱状形の石数本が立っています。これは空知郡音江村オキリカップにあるものと同じくストーンサークルと呼ばれるもので人類学、考古学上の遺跡ですが規模が非常に大きいものです。付近の畑の中から石器、土器破片等が多く発見され、竪穴跡も残っています。この列石について忍路のアイヌの老婆ムレオカパッコによれば、昔このチャシコツ(ストーンサークル)に物を言わない老婆がいて物を与えれば黙ってこれを受け取ったと言い伝えているといいます。

※底本:『日本案内記 北海道篇(五版)』昭和11年(1936年)発行

令和に見に行くなら

名称
忍路環状列石
かな
おしょろかんじょうれっせき
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
北海道小樽市忍路2
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

蘭島驛の東一粁半、忍路郡蘭島村大字忍路村字土場にある。國道より南に入ること半粁、蘭島川の沿岸にある。楕圓形で南北約二八米、東西約二一米あり、高さ約一米の大小自然石を籬狀に竝列して居る。外側にも數個の石を見、內部に柱狀形の石數本が立つて居る。これは空知郡音江村オキリカップに存するものと同じくストーン サークルと呼ばれるもので人類學、考古學上の遺跡であるが規模頗る大である。附近の畑中より石器、土器破片等が多く發見せられ、竪穴址も存して居る。この石籬に就きて忍路のアイヌの老婆ムレオカパッコに依れば、昔このチャシコツ(環狀石籬)に物を言はない老婆ありて物を與ふれば默してこれを取つたと云ひ傳へて居ると云ふ。

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