札幌・小樽

さっぽろ・おたる

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札幌・小樽ガイド

長万部を出ると東北に折れ、長万部川沿いを遡ります。ようやく山間に入り、二股、蕨岱を過ぎて黒松内に着きます。

黒松内を出ると間もなく東に折れ、熱郛を過ぎて北に折れ、人影のほとんどない山間を走り上目名、目名を通ります。蘭越を経ると尻別川に沿って東に折れます。昆布、狩太を通過し、尻別の流れに従って北進し比羅夫を通ればやがて倶知安に着きます。蘭越あたりからは右窓に羊蹄の秀嶺を、左窓にニセコアンヌプリの白峯を仰ぎ、線路の曲折につれて何度かその景観を新たにして、車窓の人を楽しませています。

京極線は俱知安から東に折れ、羊蹄山麓に沿って進み、六郷、寒別を経て京極で南へ喜茂別に至る胆振鉄道を分岐し、さらに東進して山間に入り、終端駅脇方に至っています。

倶知安からは西北に走って倶知安峠を潜り、小沢に至って岩内線を分岐します。

本線に戻って小沢から北進し、銀山トンネルを潜って銀山を過ぎればようやく下り勾配となり、余市川に沿って走ります。然別、仁木を通れば沿線にリンゴ園が眼近く見られ、やがて余市に着きます。

余市を出ると間もなく始めて日本海の碧波に接し、東に折れて海岸を走り蘭島を過ぎます。蘭島を後にすればしばらく山間に入り塩谷を経て小樽に着きます。小樽市内を縦断する手宮線は次駅南小樽から分岐しています。

小樽を出ると左窓眼下に市街と港を見ながら南下し、南小樽、小樽築港を過ぎて石狩湾岸に出て東進して朝里、張碓、銭函を過ぎます。銭函から汽車は石狩湾岸を離れて石狩平野に進み、広漠とした大平原が眼前に開けて、広々とした豊田沃野に接する軽川、琴似を経れば札幌市内に入って桑園に着きます。

札沼線は桑園から分かれて札幌市域外に出て新琴似に至り、そこから東北へ石狩平野を横断して走り篠路を経て石狩川を渡り、石狩太美、石狩当別を過ぎ、さらに北進して石狩金沢、本中小屋、中小屋を経、石狩月形を出ると右窓眼近に石狩川の曲流するのが見えます。札比内、晩生内、浦臼、下徳富、中徳富を通ると石狩橋本、ここから函館本線滝川までは東にわずか1kmほどを隔てるのみです。汽車はさらに北に進んで上徳富、雨竜、石狩追分、和、碧水、北竜を経て石狩沼田に至り、ここで留萌本線に接しています。

桑園を出ると左窓眼近く北大農学部の高塔を見、市街地に進入して札幌に至ります。

札幌を出ると市街を東進して、間もなく定山渓電車の乗換駅である苗穂に着きます。

苗穂を後にすると間もなく豊平川の鉄橋を渡り、市街地を離れて左窓大谷地原野を望みつつ東南に向かい白石に入ります。白石は定山渓鉄道の接続点ですが定山渓行電車は苗穂から東札幌まで北海道鉄道に乗入れて運転しているため、白石から東札幌までは汽車が折返して走っています。

白石からは東に向かい厚別を過ぎてから北に折れ、野幌国有林を右窓に望みつつ野幌に着きます。

野幌を出て東北に進み江別を通れば石狩川左岸に出て、そこから流に沿って走りつつ石狩平野を横切ります。幌向、上幌向を通れば間もなく室蘭本線と併行して岩見沢に着きます。

※底本:『日本案内記 北海道篇(五版)』昭和11年(1936年)発行