上野東照宮
上野東照宮[府社][國寶]
※現代の景観です。
昭和初期のガイド文
上野公園内動物園の南隣にあり、徳川家康を祀ります。江戸時代前期の寛永年間(1624~1644年)天海によって創建されましたが、現存の社殿は慶安4年(1651年)に幕府が改築したものです。本殿、相ノ間、拝殿、唐門および透塀を備えた権現造です。
拝殿は七間三面入母屋造、銅瓦本葺、正面屋上に千鳥破風があり、軒に唐破風造の向拝があります。腰廻りに高欄付廻縁をめぐらし、奥の中央三間は相ノ間に連続し、相ノ間は一段低くなり、本殿は三間三面入母屋造、銅瓦本葺。前面一間通を外陣とし、内陣の中央に唐破風造の軒を造り出した宮殿があり、家康の像を祀っています。本社の社殿は権現造として、その形態を完備し、その装飾は豊麗です。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 上野東照宮
- かな
- うえのとうしょうぐう
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 東京都台東区上野公園9-88
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
上野公園內動物園の南鄰にあり、德川家康を祀る。寬永年閒天海によつて創建されたが、現存の社殿は慶安四年に幕府の改造したものである。本殿、相ノ閒、拜殿、唐門及透塀を具備せる權現造である。
拜殿は七閒三面入母屋造、銅瓦本葺、正面屋上に千鳥破風を有し、軒に唐破風造の向拜がある。腰廻りに高欄付廻椽をめぐらし、奧の中央三閒は相ノ閒に連續し、相ノ閒は一段低くなり、本殿は三閒三面入母屋造、銅瓦本葺、前面一閒通を外陣となし、內陣の中央に唐破風造の軒を造り出した宮殿があり、家康の像を祀つて居る。本社の社殿は權現造として、その形態完備し、その裝飾豐麗である。