上野動物園

動物園
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

上野公園内にあり、明治15年(1882年)の創立で、もと宮内省所轄でしたが、大正13年(1924年)皇太子殿下御成婚記念として、東京市に下賜されたものです。出入の門は表と裏にあり、上野公園方面から来る場合は表門から、本郷方面から来る場合また不忍池畔の東照宮下電車停留場で降りた場合は裏門から入ります。

表門から入るとまず右に折れてオウム、小鳥、キジ、ウズラなど鳥を見ることになります、そこから小橋を渡りゾウ、サル、シカ、ライオン、馬、イノシシ、レイヨウ、猛獣室を経て、観魚室では魚類のほか珍奇なサンショウウオを見ることができます。次にツルとその飼養場、クジャク、小鳥、水鳥などを経て裏門に近づき、クマを見、南の丘に上って、カンガルー、ラクダ、ヤギ、クマ、鳥、サル、猛禽室を見て、表門に戻ります。園内の動物はおおよそ500種、そのうち約300種は鳥類、約50種は哺乳類です。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
上野動物園
かな
うえのどうぶつえん
種別
レジャー
状態
現存し見学できる
住所
東京都台東区上野公園9-83
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

上野公園內にあり、明治十五年の創立で、もと宮內省所轄であつたが、大正十三年皇太子殿下御成婚記念として、東京市に下賜せられたものである。出入の門は表と裏にあり、上野公園方面から來るものは表門から、本鄕方面から來るもの及不忍池畔の東照宮下電車停留場に下車するものは裏門から入る。

表門から入れば先づ右に折れて鸚鵡室、小禽室、雉室、鶉鷄室、鳥檻を見る、それより小橋を渡り象室、猿檻、鹿柵、獅子室、馬室、猪室、羚羊室、猛獸室を經て觀魚室には魚類の外珍奇なる山椒魚を見る。次に鶴室、鶴飼養場、孔雀室、小禽室、小水禽室、禽室を經て裏門に近づき、熊室を見、南方の丘に上り、カンガルー室、駱駝室、山羊棚、熊室、禽室、猿室、猛禽室を見、表門に復歸する。園內の動物は凡そ五〇〇種、內約三〇〇種は鳥類、約五〇種は哺乳類である。

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