宇治上神社
宇治上神社
昭和初期のガイド文
宇治神社の上社で応神天皇、仁徳天皇および稚郎子皇子が祀られています。
本殿[国宝] 五間三面切妻造、檜皮葺で、現存最古の神社建築として特に注目に値します。構造は中央が小さく左右が大きな一間社流造を2つ連結し、三殿の屋蓋を一棟に葺き、鞘堂を作っています。堂内三殿とも一間社流造で小規模な建築ですが、藤原時代の構造であることが珍らしいものです。しかし鞘堂は鎌倉時代のもので同じく国宝に指定されています。
拝殿[国宝] 旧宇治離宮を賜ったものと伝えています。五間三面、単層、屋根は入母屋にして檜皮をもって葺いています。方柱を建て、舟肘木、疎棰を用い、小組天井を張った寝殿造風の建築で、鎌倉時代のものです。
なお境内に一間社流造の春日神社社殿があります。同じく鎌倉時代の建築で国宝に指定されています。
※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 宇治上神社
- かな
- うじがみじんじゃ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 京都府宇治市宇治山田59
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
宇治神社の上社で應神天皇、仁德天皇及稚郞子皇子が祀られて居る。
本殿[國寶] 五閒三面切妻造、檜皮葺で、現存最古の神社建築として特に注意を價する。構造は中央小さく左右大なる一閒社流造を二箇連結し、三殿の屋蓋を一棟に葺き、鞘堂を作つて居る。堂內三殿とも一閒社流造で小規模な建築であるが、藤原時代の構造であることが珍らしい。然し鞘堂は鐮倉時代のもので同じく國寶に指定されて居る。
拜殿[國寶] 舊宇治離宮を賜つたものと傳へて居る。五閒三面、單層、屋根は入母屋にして檜皮を以て葺いて居る。方柱を建て、舟肘木、疎棰を用ゐ、小組天井を張つた寢殿造風の建築で、鐮倉時代のものである。
尙境內に一閒社流造の春日神社々殿がある。同じく鐮倉時代の建築で國寶に指定されて居る。