宝満山

寶滿山
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

竈門山ともいい、伝説と史実に富んだ名山です。山頂は竈門神社の奥宮のある宝満山(800mあまり)とその北東数町にある元宝満山(869m)との2峰からなり、元宝満は北方峰続きの三郡山(937m)とともにいわゆる三郡山塊の雄です。

元宝満の山頂は草原性ですが、宝満山の頂は奇岩怪石重畳して巨岩が多く、社務所の背後にある物見岩はよい眺望所です。

登山するには太宰府から徒歩約3kmで東南麓の内山にある竈門神社に達し、宝満城跡すなわち九重ヶ原を経て登ります。登路は急峻、途中鉄鎖によって登るところもあります。

宝満から峰伝いに三郡、砥石、若杉を経て篠栗に下る三郡山塊の縦走は一日行程の人気ある山旅コースで、5月頃は石楠花の美花が見られます。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
宝満山
かな
ほうまんざん
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
福岡県筑紫野市・太宰府市
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

一名竈門山と云ひ、傳說と史實に富んだ名山である。山頂は竈門神社の奧宮のある寶滿山(八〇〇米餘)とその北東數町にある元寶滿山(八六九米)との二峰より成り、元寶滿は北方峰續きの三郡山(九三七米)と共に所謂三郡山塊の雄である。

元寶滿の山頂は草原性であるが、寶滿山の頂は奇岩怪石重疊して巨岩多く、社務所の背後にある物見岩は好き眺望所である。

登山するには太宰府から徒步約三粁で東南麓の內山なる竈門神社に達し、寶滿城址卽ち九重ケ原を經て登る。登路急峻、途中鐵鎖に依つて登る所もある。

寶滿から峰傳ひに三郡、砥石、若杉を經て篠栗に下る三郡山塊の縱走は一日行程の興味ある山旅コースで、五月頃は石楠花の美花が見られる。

二日市・太宰府のみどころ