大阪歌舞伎座

大阪歌舞伎座
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

市電千日前下車、難波新地にあり、松竹興行の経営で昭和7年(1932年)10月初開場しました。現在日本一の大劇場です。近世式の耐震耐火鉄骨鉄筋コンクリート造、地階ともに9層の建築で6階以上は娯楽場として一般に開放されています。敷地総面積約2万m²、舞台は幅約38.3m、奥行約26.4m、高さ15mあまり、廻り舞台は蛇の目廻りで大廻り直径約18.2m、小廻り直径約12.7m、観客席は2階正面一筋の座席のほか全部椅子席で1~4階定員3,000人です。暖房、冷房、換気の装置があり、天井に音響効果を高めるために特殊な装置を施したことはこの座の誇りとするところです。また舞台前にはオーケストラピットの設備があり、4階正面には映写室を設置し、トーキー映画の上映に備えています。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行
大阪歌舞伎座

令和に見に行くなら

名称
大阪歌舞伎座
かな
おおさかかぶきざ
種別
レジャー
状態
現存しない
備考
昭和33年(1958年)廃止されました。現在ビックカメラなんば店がある場所です。

日本案内記原文

市電千日前下車、難波新地にあり、松竹興行の經營で昭和七年十月初開場した。現在日本一の大劇場である。近世式の耐震耐火鐵骨鐵筋コンクリート造、地階共に九層の建築で六階以上は娛樂場として一般に解放して居る。敷地總面積約二〇〇アール、舞臺は幅約三八米三、奧行約二六米四、高さ一五米尺餘、廻り舞臺は蛇の目廻りで大廻り直徑約一八米二、小廻り直徑約一二米七、觀客席は二階正面一筋の座席の外全部椅子席で一二三四階定員三千人である。暖房、冷房、換氣の裝置あり、天井に音響效果を高める爲に特種な裝置を施したことはこの座の誇りとするところである。また舞臺前にはオーケストラピツトの設があり、四階正面には映寫室を設置し、トーキー映畫の上映に備へて居る。

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