浅間神社

淺閒神社[國幣中社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

石和駅の東南約4km、一宮村にあり、自動車の便があります。木華開耶比咩命を祀ります。現在の社殿は江戸時代後期の宝暦年中(1751~1764年)の再建ですが、宝物中には国宝となる般若心経があります。後奈良天皇の宸筆紺紙金泥書の写経で、天文19年(1550年)に武田信玄がこの社へ奉納したもので、奥に「甲斐国、国土安穏万民和楽」の文あり、包紙の表には「勅筆奉納神前般若心経一巻天文十九季庚戌卯月廿日大膳太夫晴信」および花押を墨書し、また中には「人皇百五代後柏原天皇第一王子今上皇帝宸筆」とあります。

山宮神社 浅間神社の摂社で本社を隔てて東南約2km、峰城山の山腹にあり、一間社春日造で、蟇股は新しく模造して修理されていますが、鎌倉末期の建築で、国宝に指定されています。

毎年4月15日の例祭には約5kmを隔てる中巨摩郡竜王村三社神社へ神輿の渡御があります。古来水難を免れるために行われた特殊神事で、俗に川除祭あるいは大御幸と称し大いに賑わうといいます。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
浅間神社
かな
あさまじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
山梨県笛吹市一宮町一ノ宮1684
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の東南約四粁、一宮村にあり、自動車の便がある。木華開耶比咩命を祀る。今の社殿は寶曆年中の再建であるが、寶物中には國寶となれる般若心經がある。後奈良天皇の宸筆紺紙金泥書の寫經で、天文十九年に武田信玄が當社へ奉納したもので、奧に「甲斐國、國土安穩萬民和樂」の文あり、包紙の表には「敕筆奉納神前般若心經一卷天文十九季庚戌卯月廿日大膳太夫晴信」及花押を墨書し、また中には「人皇百五代後柏原天皇第一王子今上皇帝宸筆」とある。

山宮神社 淺閒神社の攝社で本社を距る東南約二粁、峰城山の山腹にあり、一閒社春日造で、蟇股は新しく模造して修理されて居るが、鐮倉末期の建築で、國寶に指定されて居る。

每年四月十五日の例祭には約五粁を距つる中巨摩郡龍王村三社神社へ神輿の渡御がある。古來水難を免るゝために行はれた特殊神事で、俗に川除祭或は大御幸と稱し大に賑ふと云ふ。

勝沼・石和のみどころ