向嶽寺

向嶽寺[臨濟宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

塩山駅の西北約2km、塩山の西麓にあり、室町時代得勝の開山になり、武田氏および徳川氏が厚く帰依した著名な向岳寺派の本山ですが、大正15年(1926年)に本堂が焼失し、半ば焼失を免がれた開山堂が修築されています。

  • 宝物
  • 達摩像[国宝] 1幅 絹本著色 長さ約1.2m、幅60cm 鎌倉建長寺の開祖道隆(蘭渓)の賛があります。
  • 三光国師画像[国宝] 1幅 絹本著色 長さ1.1m、幅50cmあまり 剃髪法衣の倚像で、室町時代の至徳3年(1386年)8月この寺の開山得勝の賛があります。三光国師は後村上天皇の賜った号で名を覚明と称し、後醍醐天皇も特に国清国師の号を授けられた名僧です。
  • 大円禅師画像[国宝] 1幅 絹本著色 長さ1mあまり、幅50cmあまり 大円禅師は得勝の号です。剃髪法衣の倚像で頬こけ落ち両頬のあたりにやや悲痛なる表情が描写されています。明徳4年(1393年)6月自玄の認めた次の賛があります。向岳沙門嗣法小師傑叟自玄 明徳四年六月一日 謹奉拝書 塩山開山大和尚自題 争如点声摩剎通咄哉此漢不獲已塩山峯下累千衆雲樹陰中一種草
  • 古文書 20通あまり 武田信玄の壁書、武田および徳川家の寄進状等。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
達磨像(甲斐向嶽寺)

令和に見に行くなら

名称
向嶽寺
かな
こうがくじ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
山梨県甲州市塩山上於曽2026
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の西北約二粁、鹽山の西麓にあり、室町時代得勝の開山にかゝり、武田氏及德川氏の厚く歸依した著名なる向嶽寺派の本山であるが、大正十五年に本堂が燒失し、半ば燒失を免がれた開山堂が修築されて居る。

  • 寶物
  • 達摩像[國寶] 一幅 絹本著色 長約一米二(四尺)幅六〇糎(二尺) 鐮倉建長寺の開祖道隆(蘭溪)の贊がある。
  • 三光國師畫像[國寶] 一幅 絹本著色 長一米一(三尺七寸)幅五〇糎餘(一尺七寸) 剃髮法衣の倚像で、至德三年八月當寺の開山得勝の贊がある。三光國師は後村上天皇の賜ひし號で名を覺明と稱し、後醍醐天皇も特に國淸國師の號を授けられた名僧である。
  • 大圓禪師畫像[國寶] 一幅 絹本著色 長一米餘(三尺五寸)幅五〇糎餘(一尺七寸) 大圓禪師は得勝の號である。剃髮法衣の倚像で頬こけ落ち兩頬のあたりにやゝ悲痛なる表情が描寫されて居る。明德四年六月自玄の認めた次の贊がある。向嶽沙門嗣法小師傑叟自玄 明德四年六月一日 謹奉拜書 鹽山開山大和尙自題 爭如點聲摩剎通咄哉此漢不獲已鹽山峯下累千衆雲樹陰中一種草
  • 古文書 二十餘通 武田信玄の壁書、武田及德川家の寄進狀等。

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