清白寺

淸白寺[臨濟宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

塩山駅の西南約3.5km、後屋敷村西後屋敷にあり、鎌倉時代の正慶年間(1332~1334年)夢窓国師疎石の開基と伝え、その仏殿は正慶当時のもので、五間五面重層入母屋造の檜皮葺です。軒は隅に扇棰を用い、軒端特に隅軒が著しく反り、禅宗建築の特徴を現しています。桝組は唐標出組を用い、柱間は前面中央に桟唐戸をつけ、両脇二間に火灯窓を設け、左右両側および後面にも唐戸および火灯窓をつけています。内部はすべて瓦敷で、内陣の奥壁に接して須弥壇が設けられています。唐戸は修理の際、室町時代のものを模して造り、その他にも後補の部分がありますが、内外よく鎌倉時代末期における禅宗建築の様式を残し国宝に指定されています。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
清白寺
かな
せいはくじ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
山梨県山梨市三ケ所620
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の西南約三粁半、後屋敷村西後屋敷にあり、正慶年閒夢窓國師疎石の開基と傳へ、その佛殿は正慶當時のもので、五閒五面重層入母屋造の檜皮葺である。軒は隅に扇棰を用ゐ、軒端殊に隅軒が著しく反り、禪宗建築の特徵を現はして居る。桝組は唐標出組を用ひ、柱閒は前面中央に棧唐戶をつけ、兩脇二閒に火燈窓を設け、左右兩側及後面にも唐戶及火燈窓をつけて居る。內部は悉く瓦敷で、內陣の奧壁に接して須彌壇が設けられて居る。唐戶は修理の際、室町時代のものを模して造り、その他にも後補の部分があるも、內外よく鐮倉時代末期に於ける禪宗建築の樣式を存し國寶に指定されて居る。

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