四条大橋
四條大橋
昭和初期のガイド文
市電四条大橋下車。鴨川に架設してある大橋のひとつで、近衛天皇の頃、平安時代の康治元年(1142年)に創設されたといいます。現在の橋は明治44年(1911年)市内道路を広げ電車線路を敷設する工事に際して改造に著手し、大正2年(1913年)3月竣工したものです。構造は現代式鉄筋コンクリートで、外面に石材を用い、橋面にアスファルトを敷き、勾欄は金属製、ところどころに電灯を装置してあります。長さ91m、幅22m、工費約25万円、橋の東詰には鉄筋コンクリートの洋風建築がそびえ、明治の末期に比べて雰囲気が大きく変わりました。毎年夏になると、橋の上流、下流一帯の河原に床桟敷を架し、涼棚を構えて観光客の納涼に供しています。橋下に凉床を造り、屋形船を浮べたことは昔話となりました。
※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 四条大橋
- かな
- しじょうおおはし
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 状態違うが見学可
- 備考
- 現在の橋は昭和17年(1942年)のものです。
- 住所
- 京都府京都市下京区、東山区
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
市電四條大橋下車。賀茂川に架設してある大橋の一で、近衞天皇の康治元年に創設されたと云ふ。現在の橋は明治四十四年市內道路擴築電車線路敷設工事に際して改造に著手し、大正二年三月竣工したものである。構造は現代式鐵筋コンクリートで、外面に石材を用ゐ、橋面にアスフアルトを敷き、勾欄は金屬を以て製し、所々に電燈を裝置してある。長さ九一米、幅二二米、工費約二十五萬圓、橋の東詰には鐵筋コンクリートの洋風建築が聳え、明治の末期に比して面目が一新された。每年夏期に至ると、橋の上流、下流一帶の河原に床棧敷を架し、涼棚を構へて遊客の納涼に供する。橋下に凉床を造り、屋形船を浮べたことは昔話となつた。
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