観智院客殿

觀智院客殿[國寶]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

観智院は東寺の塔頭で北大門の北に隣接しています。客殿は桁行七間、梁間東側五間、西側四間、単層、屋根入母屋造の建築で、慶長11年(1606年)に建立された桃山時代の書院造ですが、平面やや古制を帯び軒唐破風を作り、車寄を有しています。壁襖の貼付絵は宮本武蔵二天の筆とされ名高いものです。

本堂には有名な国宝の五大虚空蔵が五体安置されています。この仏像は入唐八家の一人恵運が平安時代の承和14年(847年)中国から帰朝の際に持ち帰ったものです。唐朝の木彫でその年代の明確なもののほとんど遺存しない今日、この像が確かな由緒をもって遺存していることは、日本仏教芸術史上特に注意すべきものです。

※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行
東寺観智院虚空蔵像

令和に見に行くなら

名称
観智院客殿
かな
かんちいんきゃくでん
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
備考
通常は非公開ですが、特別公開されている場合があります。
住所
京都府京都市南区九条町403
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

觀智院は東寺の塔頭で北大門の北に鄰接して居る。客殿は桁行七閒、梁閒東側五閒、西側四閒、單層、屋根入母屋造の建築で、慶長十一年に建立された桃山時代の書院造であるが、平面稍古制を帶び軒唐破風を作り、車寄を有して居る。壁襖の貼附繪は宮本武藏二天の筆と稱して名高い。

本堂には有名な國寶の五大虛空藏が五軀安置されて居る。この佛像は入唐八家の一人惠運が承和十四年支那から歸朝の際持ち歸つたものである。唐朝の木彫でその年代の明確なものゝ殆ど遺存しない今日、この像が確な由緖を以て遺存して居ることは、我が佛敎藝術史上特に注意すべきものである。

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