好文亭

好文亭
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

常磐公園の西南部勝景の地にあります。江戸時代後期の天保年間(1830~1844年)常磐公園とともに、藩主徳川斉昭の創建となり、藩主が文人墨客を集めて、詩歌を吟詠し清遊を試みたところです。入口には斉昭筆好文亭と題する偏額があります。階下束西両側の2室は床を板張とし、東の室は方三間西の室は東西三間南北六間あります。東西両室の中間には方三間畳敷の室があり、その内の六畳を御座所の間と称しています。このほか階下には茶室何陋庵、料理部屋などがあります。階上は3室に分かれ、南にある八畳の間が正室で、斉昭筆楽寿楼の扁額をかかげています。東西南の三面を開き板椽をめぐらし勾欄を付し、四方の展望をほしいままにすることができます。すなわち東南は千波湖を望み、また西南は水田をはさんで桜山および丸山と相対し、はるかに筑波、加波の諸山を望み、四時の風光に富んでいます。現在公開して一般に観覧ができるようになっています。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
水戸好文亭

令和に見に行くなら

名称
好文亭
かな
こうぶんてい
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
茨城県水戸市常磐町1-3-3
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

常磐公園の西南部勝景の地にある。天保年閒常磐公園と共に、藩主德川齊昭の創建にかゝり、藩主が文人墨客を集めて、詩歌を吟詠し淸遊を試みた所である。入口には齊昭筆好文亭と題する偏額がある。階下束西兩側の二室は床を板張となし、東の室は方三閒西の室は東西三閒南北六閒ある。東西兩室の中閒には方三閒疊敷の室があり、その內の六疊を御座所の閒と稱して居る。この外階下には茶室何陋庵、料理部屋などがある。階上は三室に分かれ、南にある八疊の閒が正室で、齊昭筆樂壽樓の扁額をかゝげて居る。東西南の三面を開き板椽をめぐらし勾欄を附し、四方の展望を恣にすることが出來る。卽ち東南は千波湖を望み、また西南は水田をはさんで櫻山及丸山と相對し、遙に筑波、加波の諸山を望み、四時の風光に富んで居る。今公開して一般に觀覽を許して居る。

水戸・大洗のみどころ