水戸東照宮

東照宮[縣社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

水戸駅の西約300m、丘上にあり、江戸時代前期の元和7年(1621年)藩主徳川頼房の創建にして、社殿は正面に唐門を開き周囲に透塀をめぐらした権現造で屋根は檜皮葺です。拝殿は五間二面入母屋造、三間の向拝を有し、棰、屋根裏、支輪、上貫など皆朱塗で、桝組は唐様二手先を用い、繧繝彩色を施しています。拝殿は三間一面の石ノ間を経て本殿に連なっています。本殿は三間三面入母屋造、棰、支輪、柱など外廻は黒塗で、腰に勾欄付廻椽をめぐらして、内部は正面三間の柱間に金箔押の扉を建て、長押、桝組、蟇股などに極彩色を施し、上貫、支輪などは黒塗になっています。内陣には入母屋造極彩色の宮殿を設け、家康の木像を祀っています。本社殿は規模は小さいですが、形態均衡を保ち、江戸時代初期における佳作で、現在国宝に指定されています。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
水戸東照宮
かな
みととうしょうぐう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
茨城県水戸市宮町2-5-13
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の西約三〇〇米、丘上にあり、元和七年藩主德川賴房の創建にして、社殿は正面に唐門を開き周圍に透塀をめぐらした權現造で屋根は檜皮葺である。拜殿は五閒二面入母屋造、三閒の向拜を有し、棰、屋根裏、支輪、上貫など皆朱塗で、桝組は唐樣二手先を用ゐ、繧繝彩色を施して居る。拜殿は三閒一面の石ノ閒を經て本殿に連つて居る。本殿は三閒三面入母屋造、棰、支輪、柱など外廻は黑塗で、腰に勾欄付廻椽をめぐらして、內部は正面三閒の柱閒に金箔押の扉を建て、長押、桝組、蟇股などに極彩色を施し、上貫、支輪などは黑塗になつて居る。內陣には入母屋造極彩色の宮殿を設け、家康の木像を祀つて居る。本社殿は規模は小さいが、形態均衡を保ち、江戶時代初期に於ける佳作で、今國寶に指定されて居る。

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