御中道巡り

御中道巡り
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

各登山路の五合目を連絡し、海抜2,500m内外を一周するもので、30kmの里程があります。吉田口五合目から砂礫道を須走口五合目に進み、さらに御殿場口六合目に至り、宝永山頂に登って東を展望し、西に江戸時代中期の宝永4年(1707年)出現の爆裂火口を見下ろします。火口は深さ300m、口底を牡丹畑といい、火山弾が散乱しています。ここから大宮口五合目を経て熔岩盤の現れたところを通ります。大沢では道は下って落葉林に入り、さらに石滝の幅100mにおよぶものを横切ります。

ここからカラマツ、ゴヨウマツなどの老木が枝を地に俯している奥庭、御庭を経てシャクナゲ、ミヤマハンノキ、ミヤマヤナギの矮林を過ぎ小御岳に達します。ここから吉田口五合目に復帰します。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
御中道巡り
かな
おちゅうどうめぐり
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
山梨県南都留郡鳴沢村ほか
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

各登山路の五合目を連絡し、海拔二、五〇〇米內外を一周するもので、三〇粁の里程がある。吉田口五合目から砂礫道を須走口五合目に進み、更に御殿場口六合目に至り、寶永山頂に登つて東方を展望し、西方に寶永四年出現の爆裂火口を見下す、火口は深さ三〇〇米、口底を牡丹畑と云い、火山彈が散亂して居る。これより大宮口五合目を經て熔岩盤の現はれた處を通る。大澤では道は下つて落葉林に入り、更に石瀧の幅一〇〇米に及ぶものを橫ぎる。

これより落葉松、五葉松などの老木が枝を地に俯して居る奧庭、御庭を繼てしやくなげ、みやまはんのき、みやまやなぎの矮林を過ぎ小御嶽に達する。これより吉田口五合目に復歸する。

吉田・富士五湖のみどころ