青木ヶ原
靑木ケ原
昭和初期のガイド文
西、精進、本栖の三湖畔から大室山に至る鬱蒼とした原生林の樹海です。貞観6年に富士山が噴火して流出した熔岩帯の上に生じた森林で、その根を丸尾の裂隙中に衝き入れています。この原はあるいは高くあるいは低く起伏一定でない間に熔岩散乱し、自然枯れの樹木は倒れて蛇のように横たわり、熔岩には苔蒸して、人跡かつて達したことのない境地を示しています。西湖から精進湖に達する大正道路や、吉田から同じく精進湖に至る県道がこれを貫いています。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 青木ヶ原
- かな
- あおきがはら
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 山梨県南都留郡富士河口湖町、鳴沢村
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
西、精進、本栖の三湖畔より大室山に至る鬱蒼たる原生林の樹海である。貞觀六年に富士山が噴火して流出した熔岩帶の上に生じた森林で、その根を丸尾の裂隙中に衝き入れて居る。この原は或は高く或は低く起伏常なき閒に熔岩散亂し、自然枯れの樹木は倒れて蛇の如く橫はり、熔岩には苔蒸して、人跡嘗て達したことのない境地を示して居る。西湖から精進湖に達する大正道路や、吉田から同じく精進湖に至る縣道がこれを貫いて居る。