北口本宮冨士浅間神社

富士淺閒神社[縣社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

上吉田、富士北口登山路の起点にあたる平地にあり木華開耶姫命を祀ります。境内の東宮本殿は一間社流造で室町時代の永禄3年(1560年)に武田信玄が再建したものです。その構造様式は非常に簡素で、絵様彫刻などに室町時代末期の特徴を残し、国宝に指定されています。西宮は一間二面の流造で同じく室町時代の建築ですが、後補された部分が多くあります。なお本社の宝物中には、文安2年(1445年)の銘ある太刀があり国宝に指定されています。

本社は富士登山にあたって参拝する人が多く、毎年8月26日に鎮火祭を執行し、町中毎月篝火を焚き、終夜絶えず遠近から参詣する人が多く大いに賑わいます。

拝殿の前にある大杉は樹幹周囲目通り8mあまり、根廻り約20m、神木として木柵を巡らし注連を張り廻してあります。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
北口本宮冨士浅間神社
かな
きたぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
山梨県富士吉田市上吉田5558
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

上吉田、富士北口登山路の起點に當る平地にあり木華開耶姬命を祀る。境內の東宮本殿は一閒社流造で永祿三年に武田信玄の再建したものである。その構造樣式頗る簡素で、繪樣彫刻などに室町時代末期の特徵を存し、國寶に指定されて居る。西宮は一閒二面の流造で同じく室町時代の建築であるが、後補された部分が多い。尙本社の寶物中には、文安二年の銘ある太刀があり國寶に指定されて居る。

本社は富士登山者の參拜するものが多く、每年八月二十六日に鎭火祭を執行し、町中每月篝火を焚き、終夜絕えず遠近より參詣するもの多く大に賑ふ。

拜殿の前にある大杉は樹幹周圍目通り八米餘(二丈七尺)根廻り約二〇米(六丈四尺)、神木として木柵を繞らし注連を張り廻してある。

吉田・富士五湖のみどころ