総持寺
總持寺[曹洞宗大本山]
昭和初期のガイド文
省線電車鶴見駅下車、境内は広く丘陵景勝の地を占め静寂な風景があります。もと鎌倉時代の元亨元年(1321年)開山常滑大師(道元)によって能登に建立され、越前の永平寺と並び称された禅門の大道場でしたが、明治年間(1868~1912年)この地に移され諸堂は今なお建設中です。すでに竣成したものには仏殿、大庫裡、侍鳳館、紫雲台などの大伽藍があり、帝都に近い著名な大寺院です。
- 宝物
- 提婆達多画像[国宝] 1幅 紙本著色、長さ約1.5m、幅約90cm、雲中に半身を現し、左手に如意を持ち、玉冠を戴き、中国帝王図のような相貌をもつ肖像画で筆致流麗にして宋画の趣があります。
- 前田利家夫人画像[国宝] 1幅 絹本著色、長さ1m、幅約51cm、白地に桐の模様を織り出した打掛を着し、手に数球を持っている坐像で象山の賛があります。
- 奉賛 芳春院殿寿影 功徳無窮仏閣僧 千門万戸碧嶒嶒 看々二世安身処 日夜香華不尽灯 前惣持象山叟書焉
- 刺繍大法被[国宝] 1枚 紺地金襴に赤地金襴の縁をとった約7.3mに約6.4mの大帷幄で、江戸時代中期の元禄(1688~1704年)頃の作といいます。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 総持寺
- かな
- そうじじ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 神奈川県横浜市鶴見区鶴見2-1-1
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
省線電車鶴見驛下車、境內廣く丘陵景勝の地を占め靜寂なる一勝區をなす。もと元亨元年開山常滑大師(道元)によつて能登國に建立され、越前の永平寺と竝び稱せられた禪門の大道場であつたが、明治年閒現地に移され諸堂今尙建設中である。既に竣成したものには佛殿、大庫裡、侍鳳館、紫雲臺などの大伽藍があり、帝都に近き著名の大寺院である。
- 寶物
- 一 提婆達多畫像[國寶] 一幅 紙本著色、長約一米半(五尺)幅約九〇糎(三尺)、雲中に半身を現はし、左手に如意を持ち、玉冠を戴き、支那帝王圖の如き相貌を有する肖像畫で筆致流麗にして宋畫の趣がある。
- 一 前田利家夫人畫像[國寶] 一幅 絹本著色、長一米(三尺三寸)、幅約五一糎(一尺七寸)、白地に桐の模樣を織り出した打掛を着し、手に數球を持つて居る坐像で象山の贊がある。
- 奉贊 芳春院殿壽影 功德無窮佛閣僧 千門萬戶碧嶒嶒 看々二世安身處 日夜香華不盡燈 前惣持象山叟書焉
- 一 刺繍大法被[國寶] 一枚 紺地金襴に赤地金襴の緣をとつた約七米三(二四尺)に約六米四(二一尺)の大帷幄で、元祿頃の作と云ふ。
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