遍明院

遍明院[眞言宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

西大寺鉄道西大寺町駅の東約10km、大宮村千手にあり、自動車の便があります。

この寺はもと千手山弘法寺と称し、山上の平地に本堂、多宝塔、大師堂、阿弥陀堂、山王宮、鐘楼等を具備していますが、いずれも江戸時代に再建されたものです。

  • 宝物
  • 五智如来坐像[国宝] 5体 金剛界の五智を表象する大日、阿閦、宝生、無量寿および不空の像です。いずれも木造で漆箔を施しています。大日如来は高さ約90cm、ほかの諸像は約52cm、藤原時代の作です。本堂から少し下った山の中腹の遍明院庫裏に接続して建っている持仏堂内に安置されています。
  • 弥陀二十五菩薩来迎図[国宝] 1幅 絹本著色、精巧な截金文様に彩色を施した優美な鎌倉初期の作です。京都博物館出陳。
  • 仏涅槃図[国宝] 1幅 絹本著色、普通の入涅槃像を中央に描きそれを巡って上部には楼閣、楼門、飛行の楽器等を描いて切利天を現し、その他周囲にも釈尊入滅後の金棺図、再生説法図、分舎利図等を7所に描いた珍らしい像で、鎌倉時代の優秀な作です。京都博物館出陳。
  • 大薙刀[国宝] 1口 銘盛光、拵黒漆柄薙刀、京都博物館出陳。
  • 藍革肩白腹巻[国宝] 1領 伝足利尊氏奉納、京都博物館出陣。
※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行

令和に見に行くなら

名称
遍明院
かな
へんみょういん
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
岡山県瀬戸内市牛窓町千手239
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

同西大寺町驛の東約一〇粁、大宮村千手にあり、自動車の便がある。

當寺はもと千手山弘法寺と稱し、山上の平地に本堂、多寶塔、大師堂、阿彌陀堂、山王宮、鐘樓等を具備して居るが、何れも江戶時代に再建されたものである。

  • 寶物
  • 五智如來坐像[國寶] 五軀 金剛界の五智を表象せる大日、阿閦、寶生、無量壽及不空の像である。何れも木造にして漆箔を施して居る。大日如來は高さ約三尺、他の諸像は約一尺七寸、藤原時代の作である。本堂より少し降つた山の中腹の遍明院庫裏に接續して建つて居る持佛堂內に安置されて居る。
  • 彌陀二十五菩薩來迎圖[國寶] 一幅 絹本著色、精巧な截金文樣に彩色を施した優美な鐮倉初期の作である。京都博物館出陳。
  • 佛涅槃圖[國寶] 一幅 絹本著色、普通の入涅槃像を中央に描きそれを繞つて上部には樓閣、樓門、飛行の樂器等を描いて切利天を現はし、その他周圍にも釋尊入滅後の金棺圖、再生說法圖、分舍利圖等を七所に描いた珍らしい像で、鐮倉時代の優秀な作である。京都博物館出陳。
  • 大薙刀[國寶] 一口 銘盛光、拵黑漆柄薙刀、京都博物館出陳。
  • 藍革肩白腹卷[國寶] 一領 傳足利尊氏奉納、京都博物館出陣。

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