実相院
實相院[天臺宗寺門派]
昭和初期のガイド文
鞍馬電車岩倉の北1km岩倉にあり、浄基の草創で、現在の堂宇は江戸時代中期の享保5年(1720年)皇居の故殿を賜ったものです。由来門跡の住寺であったから本堂、方丈ともに幽雅で、この付近での一名勝中心地となっています。寺宝のうち仮名文字遣一冊は後陽成天皇の宸翰で国宝になっています。
実相院に属する大雲寺の鐘楼は後水尾天皇の建立になり、その鐘は銅造で内側に平安時代の天安2年(858年)8月の銘があります。文徳天皇の皇后染殿の寄進と伝え現在国宝となっています。
実相院の近くに岩倉具視幽居跡[指定史蹟]があり、井上毅撰文の碑石が建ててあります。
※底本:『日本案内記 近畿篇 上(初版)』昭和7年(1932年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 実相院
- かな
- じっそういん
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 京都府京都市左京区岩倉上蔵町121
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
鞍馬電車岩倉の北一粁岩倉にあり、淨基の草創で、現堂宇は享保五年皇居の故殿を賜つたものである。由來門跡の住寺であつたから本堂、方丈共に幽雅で、この附近での一名勝中心地となつて居る。寺寶の中假名文字遣一册は後陽成天皇の宸翰で國寶になつて居る。
實相院に屬する大雲寺の鐘樓は後水尾天皇の建立になり、その鐘は銅造で內側に天安二年八月の左文銘がある。文德天皇の皇后染殿の寄進と傳へ今國寶となつて居る。
實相院の近くに岩倉具視幽居址[指定史蹟]があり、井上毅撰文の碑石が建てゝある。