妙國寺のソテツ

妙國寺の蘇鐵[指定天然記念物]

昭和初期のガイド文

妙國寺本堂の南側にあり、八角形の石棚で囲んであります。この木は地下から伸びる多数の茎と枝からなり、その数約25本あります。このなかで中央よりにあり枯死していますが、上端にすり鉢を被せたものは主幹とされ、高さ約1.2m、根本の周囲約2.4mです。主幹の南側に大きな枯枝の基部が残っていて、その周囲約1.8mにおよび、この枯枝の周りに多数の生存している茎、枝があり、西北側の枝は根元の周囲約1.6m、高さ約4.5mです。ソテツの根元の総周囲はおおよそ17mあります。昔織田信長がこの木を安土に移植しましたが、訳あってもとの場所に戻したと伝えられています。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
妙國寺のソテツ
かな
みょうこくじのそてつ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
大阪府堺市堺区材木町東4-1-4 妙國寺内
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

妙國寺本堂の南側にあり、八角形の石棚で圍んである。本樹は地下から叢出せる多數の莖及枝より成り、その數約二十五本あるこの中稍中央にあつて枯死し、上端に擂鉢を冠せるものは主幹と見做され、高さ約一米二、根本の周圍約二米四である。主幹の南側に一大枯枝の基部が殘つて、該部の周圍約一米八に及び、この枯枝を繞つて多數の生存せる莖、枝があり、西北側の枝は根元の周圍約一米六、高さ約四米半である。蘇鐵の根元の總周圍は凡一七米ある。昔織田信長が本樹を安土に移植したが、故あつて原處に復したと云ふ。

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