妙國寺

妙國寺[日蓮宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

南海電車阪堺線妙國寺前下車、市内材木町東三丁にあります。室町時代の永禄年間(1558~1570年)三好実休および市民油屋常吉の創始で、僧日珖の開基となり、大阪陣の役で一度荒廃しましたが後に再建され、本堂、三重塔等があります。国宝の脇指は長義の朱銘があり、江戸時代中期の正徳3年(1713年)弥生の折紙を附属し、同じく短刀は銘国光(新藤五)で鮫柄および白鞘等の附属品とともに奈良博物館に出陳中です。本堂前に明治元年(1868年)堺港から上陸したフランス人を殺害したことで、ここで切腹を命じられた土佐藩士の記念碑があります。境内の大ソテツは有名で蘇鉄寺と呼ばれるのもこのためで、天然記念物に指定されています。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行
妙國寺

令和に見に行くなら

名称
妙國寺
かな
みょうこくじ
種別
見所・観光
状態
状態違うが見学可
備考
昭和20年(1945年)の大阪大空襲で焼失、戦後に再建されています。
住所
大阪府堺市堺区材木町東4-1-4
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

同阪堺線妙國寺前下車、市內材木町東三丁にある。永祿年閒三好實休及市民油屋常吉の創始で、僧日珖の開基にかゝり、大阪陣の役に一度烏有に歸したが後再建され、本堂、三重塔等がある。國寶の脇指は長義の朱銘あり、正德三年彌生の折紙を附屬し、同じく短刀は銘國光(新藤五)で鮫柄及び白鞘等の附屬品と共に奈良博物館に出陳中である。本堂前に明治元年堺浦で上陸せんとする佛蘭西人を殺害した廉で、こゝで割腹を命ぜられた土佐藩士の記念碑がある。境內の大蘇鐵は有名で蘇鐵寺の稱これより起り、天然記念物に指定されて居る。

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