光明寺
光明寺[淨土宗]
昭和初期のガイド文
鎌倉駅の南約2km、門前にあります。当初は北条経時が佐介谷に創立し、蓮華寺と称し僧良忠を開山としていましたが、鎌倉時代の寛元元年(1243年)今の地に移って光明寺と名を改めました。
- 宝物
- 当麻曼荼羅絵巻[国宝]二巻 紙本著色 附寛政五年松平定信添書一巻 有名な大和当麻寺の浄土曼荼羅が成立した縁起を描いたもので鎌倉時代当麻曼荼羅模写の流行につれて作り出されたものです。強い筆致と写実性に富んだ鎌倉時代中期の優秀な作品です。筆者を住吉慶恩とする説もありますが疑わしいものです。
- 当麻曼荼羅図[国宝] 絹本著色 鎌倉時代 鎌倉時代浄土信仰の流行とともに弥陀浄土の曼荼羅、すなわち当麻曼荼羅が盛んに製作されました。本図もその遺品のひとつです。仏菩薩の描写に截金を施し仏身を金箔押として五彩の色どりが絢爛なものです。
- 浄土五祖絵伝[国宝]一巻 紙本著色 鎌倉時代 浄土の五祖を順に描き、一図ごとに紙面の上方に数行の略伝が漢文で書いてあります。宋画から得た簡素な筆意で人物の稚態を帯びた描写に恬淡な時代の様子がうかがわれます。奥書に金泥で「嘉元第三雁林鐘中五日終功畢」とあって製作年代が明白です。
- 十八羅漢および僧像[国宝]十九幅 絹本著色
- 以上鎌倉宝物館出陳
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 光明寺
- かな
- こうみょうじ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 神奈川県鎌倉市材木座6-17-19
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
驛の南約二粁、門前にあり。初め北條經時が佐介谷に創立し、蓮華寺と云ひ僧良忠を開山としたが、寬元元年今の地に移し光明寺と改稱した。
- 寶物
- 當麻曼荼羅繪卷[國寶]二卷 紙本著色 附寬政五年松平定信添書一卷 有名な大和當麻寺の淨土曼荼羅の成れる緣起を描いたもので鐮倉時代當麻曼荼羅模寫の盛行につれて作り出されたものである。簡勁な筆致と寫實的に富んだ鐮倉時代中期の優秀なる作品である。筆者を住吉慶恩となす說もあるが疑はしい。
- 當麻曼荼羅圖[國寶] 絹本著色 鐮倉時代 鐮倉時代淨土信仰の流行と共に彌陀淨土の曼荼羅卽ち當麻曼荼羅が盛に製作された。本圖もその遺品の一である。佛菩薩の描寫に截金を施し佛身を金箔押となし五彩の色どりが絢爛である。
- 淨土五祖繪傳[國寶]一卷 紙本著色 鐮倉時代 淨土の五祖を順次に畫き、一圖每に紙面の上方に一區割を設けて數行の略傳が漢文で書いてある。宋畫から得た簡素な筆意で人物の稚態を帶びた描寫に卻て恬淡な時代相が窺はれる。奧書に金泥で「嘉元第三雁林鐘中五日終功畢」とあつて製作年代が明白である。
- 十八羅漢及僧像[國寶]十九幅 絹本著色
- 以上鐮倉寶物館出陳