円応寺

圓應寺[臨濟宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

建長寺の西南約300m、巨福呂坂切通の東側にあり、新井閻魔と呼ばれます。鎌倉時代の建長2年(1250年)の創建で昔は由比ヶ浜の大鳥居の東南にあり、後にこの地に移建されたとされます。本尊の閻魔大王は玉眼、寄木造に彩色を施した雄大な坐像で顔面朱をはき、黒い眉をつり上げ、大口を開き、悪業を必罰せんとする忿怒の相を現わした鎌倉時代の優秀な彫刻で国宝に指定されています。なお大王の前には善悪鏡と呼ばれる、悪相と善相の首が蓮台の上に置かれています。堂内左右両側にはほかの八王、奪衣婆や地蔵の諸像が安置されています。このほか国宝に指定された初江王および俱生神の像は鎌倉国宝館に出陳されています。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
円応寺
かな
えんのうじ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
神奈川県鎌倉市山ノ内1543
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

建長寺の西南約三〇〇米、巨福呂坂切通の東側にあり、新井閻魔と稱し、建長二年の創建にして昔は由比濱大華表の東南にあり、後この地に移建されたと云ふ。本尊閻魔大王は玉眼、寄木造に彩色を施した雄大なる坐像で顏面朱をはき、黑い眉をつり上げ、大口を開き、惡業を必罰せんとする忿怒の相を現はした鐮倉時代の優秀な彫刻で國寶に指定されて居る。尙大王の前には善惡鏡と稱し、惡相と善相の首が蓮臺の上に置かれて居る。堂內左右兩側には他の八王、奪衣婆及地藏の諸像が安置されて居る。この外國寶に指定された初江王及俱生神の像は鐮倉國寶館に出陳されて居る。

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