鎌倉大仏
鐮倉大佛[國寶]
昭和初期のガイド文
鎌倉駅の西約2km、長谷にあり、高徳院の管理に属しています。金銅製阿弥陀如来の坐像で、表情は円満にして端厳なもの、両手を膝の上に置いて弥陀の定印を結んでいます。鎌倉時代の建長4年(1252年)に鋳造されたもので仏身の高さ11mあまり、重量93,750kg、面長2.3m、奈良の大仏に次ぐ巨像です。作者を大工丹治久友といい、日本の大仏の逸品です。室町時代の応安2年(1369年)9月大風のために堂宇が倒壊し、さらに明応4年(1495年)8月には由比ヶ浜の海水が激奔して再び仏殿を破壊し、その後は露天のまま今日に至っています。大正12年(1923年)の大震災には台座前面が30cm沈下し、仏体が約36cm前方に動きましたが、今は立派に修理されています。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 鎌倉大仏
- かな
- かまくらだいぶつ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 神奈川県鎌倉市長谷4-2-28
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
驛の西約二粁、長谷にあり、高德院の管理に屬して居る。金銅製阿彌陀如來の坐像で、相好圓滿端嚴、兩手を膝の上に安じ彌陀の定印を結んで居る。建長四年に鑄造されたもので佛身の高さ一一米餘(三丈七尺五寸)重量九三、七五〇瓩(約二萬五千貫)、面長二米三(七尺七寸)奈良の大佛に次ぐ巨像である。作者を大工丹治久友と云ひ、わが國大佛中の逸品である。應安二年九月大風の爲に堂宇顛倒し、明應四年八月由比濱の海水激奔して再び佛殿を破壞し、その後露天のまま今日に至つて居る。大正十二年の大震災には臺座前面三〇糎(一尺)沈下し、佛體が約三六糎(一尺三寸)前方に辷り出したが、今は立派に修理されて居る。